●英名:Basil
●和漢名:めぼうき
●学名:Ocimum basilictm L.
●科名:シソ科の一年生草本
●原産地:インド、アフリカ
●主産地:フランス、インド、イタリア、アメリカ、ハンガリーなど
“ハーブの王様”として、ヨーロッパでは広く親しまれている。特にイタリア料理には絶対に欠かせないハーブである。
バジルの語源にはいくつかあるが、高貴な芳香のバジルは、まさに王公の館にふさわしいとのことから「王」を意味するギリシア語からきているという説が有力である。また、原産地であるインドでは、ヒンズー教の神に捧げる聖なる植物「ツラシ」として古くから栽培されてきた。
日本へ渡来してきたのは江戸時代である。バジルの種子を水に浸すと表面がゼリー状に膨張するため、漢方ではこの働きを利用して、目に入ったごみを洗い流したことから、和名は「目ぼうき」と名づけられた。
バジルも他のシソ科のハーブと同様に繁殖力が強く、変種が多い。主に観賞用として栽培されているのは、ブッシュバジルをはじめ、レモンバジル、シナモンバジル、ホーリーバジルなど。食用として利用されるのは、甘い芳香をもつスイートバジルで、ほかの変種に比べて香味が強いのが特徴である。
シソ科のハーブは、特有の高貴でさわやかな香味をもつ。
バジルの香りの主成分は、アニス様の香気をもつメチルビシャコール、ゆりの花を思わせるリナロールなどで、他にシネオール、オイゲノールなどを含む。生の葉を食べてもそれほど刺激感はなく、さわやかで甘い香りとかすかな苦味を感じる。
■生の葉も乾燥葉も用いられる。
■生の葉はシソの葉と同様に、サラダ、マリネ、スープの浮き身、パスタ料理などに使う。バジルとオリーブ油、松の実の風味で食べるスパゲティ・バジリコは日本でも有名である。ビネガーに浸したり、ハーブティーにしてもよい。
■バジルの香りはトマトの風味に実によく合う。イタリアでは伝統的なトマトピューレの製造や、トマトを使った料理の基礎的な香味材料として頻繁に用いられている。イタリア料理では有名なチキン・カチャトレーやピザパイもバジルなしでは作れない。
バジルの芳香を活かすには、同じハーブ系のスパイスであるオレガノ、マジョラム、セージ、タイムなどとブレンドして使うとよい。
バジルの葉は鎮咳や通経薬として利用されている。また、強壮作用や殺菌作用があるといわれ、神経痛や口内炎などにも利用されている。
最近では、体内に潜む発ガン遺伝子の働きを抑制する効果があることが報告され、注目を浴びている。
■栽培は種子から行う。日本でも栽培できるが、日当たりがよく水はけのよい土壌が適しており、あまり風の当たらない場所が望ましい。
■種子は春霜の危険がなくなってからまく。苗の本葉が3枚になったころに植え替える。
■約6週間で葉が摘めるようになるが、乾燥用としての最適な摘みどきは、80〜90日たった開花直前である。根元まで刈り取らずに多少残しておくことによって、11月頃にもう一度収穫できる。摘んだ軸は束ねて乾かす。